2010年後期の講義が10月から始まった。今学期は、学部1年生向けの自然科学実験という実験科目である。2005年から始まった科目で、数学、物理、生物、化学で前後期3コマずつ実験を提供する。数学は、前期は微分方程式、後期は二次曲線・二次曲面と固有値に関してMapleで操作する(実験というよりは)演習である。
目的が明確な実験を提案して、学生に提供するのは、大変な作業である。20年も前に助手の頃に作成したことがある。研究と違って、よい実験ができても他の教官が評価してくれないということが多い。また、学生の中には時間がかかったり、難しいことを諮問で聞かれるといやだとか言うものもいる。また、実験のために作成した指導書を、印刷前に何度もチェックする必要がある。
私も、正直なところ、MathematicaやMapleという言語には、なじみがなかった。情報関係というよりは、数学関係の学部学科で使われる言語である。研究でMapleをよく使う人は、そろばんみたいに式を放り込むと答えを出してくれる、というような気楽な考えの人が多い。道具なので、使えればそれでよいと。しかし、私は、多少神経質なのかもしれないが、
- Lispのような関数型プログラミング言語の一種なのか
- データの型としてどのようなものがあるのか、文字はどのように表現されるのか
など、考えてしまう。いずれにせよ、Mapleの達人になる機会ができたのだから、教えるだけというだけではなく、自分の研究や趣味にも活用していきたい。