Journal of Applied Probabilityに投稿していた“A Markov chain analysis on genetic algorithms – large deviation principle approach”というタイトルの論文の掲載が決定した。
遺伝的アルゴリズム(GA)に関しては、1990年代にIEEE Trans. on System, Man, and Cybern.という雑誌に、Markov連鎖による解析について2件の論文を発表している(1995, 1998)。今回は、突然変異確率を下げた場合、もしくは選択圧力を高めるた場合の定常確率を評価した。統計力学における温度を下げることに相当するものとして、大偏差原理のFreidlin-Wentzell理論を適用している。Cerf (1998)やAlbuquerque-Mazza (2000)などの先行研究との比較して、強い結論を得ている。
私自身、数学的に証明できたものしか論文にしないというスタンスをとっている。GAに関しては、国内でも海外でもアプローチとして、数値実験からいえる定性的な傾向を結論にすることが多い。GAに関しては、国際会議では3件、ジャーナルとしても3件しか成果が無いが、私のIEEE Trans. on SMCに掲載された2件の論文に関しては、よく引用してもらっている。GAでも何でも、科学的な検証をしない論文をたくさん書いていても、後に残らないと思っている。