講演会というよりは、議論を中心とした講義を

投稿者: | 2010年2月1日
LAの人気のLiberal ArtsのひとつPepperdine大学

LAの人気のLiberal ArtsのひとつPepperdine

今年の正月は、バケーションの帰りに、長男の希望する大学のいくつかを一緒に下見に行った。長男は、中学2年から英国に3年間、米国に2年留学し、この秋から米国の大学に入学するために願書を出している。現在は、Californiaの全寮制の高校に在籍している。

数学に限らず何か研究をやっていると、Californiaといえば、UC系やStanfordやCaltechといった成果を出している大学がいいと思い浮かべるのではないかと思う。長男に聞いてみると、研究中心の大学は、学部での面倒見が悪く、またUC系でも外国出身の場合月謝が私立と同じなので、必ずしも有利ではないという。また、日本と違い、大学は半分以上の単位を卒業する大学で取得すればよく、半年在籍すれば転校できるというシステムになっているという。さらに受験も、1箇所に集まって試験をしたりはせず、書類選考だけで合否が決まるという。卒業できるか否か、よい成績がとれるか否か、つまり事後評価のみが問われるという。長男は、Liberal Artsといって、小規模の大学を希望している。

その日は、LAのビーチ沿いにあるPepperdine大学と、オバマ大統領も2年間在籍したというOccidental大学を見学した。在校生に説明してもらいながらキャンパスをまわり、入試担当者から話を聞いた。私も、国は違うが同業者であり、当然のことながら興味があった。Pepperdineで一緒に回った学生に聞いてみると、昨年まで在籍していた(大規模な)大学だと、講義の時間中に質問ができず、一方通行になっていたので、2年目から議論ができるこの大学に移ったという。

日本で特に数学だと、質問しすぎると「自分で考えろ」と先生から怒られたりする。ただ、文系など答えが1個にきまらない分野では、議論によって理解を深めていく学習の進め方は効果があるかもしれない。純粋数学ではなく、応用を想定した数学だとまだ議論をする余地はある。講義の時間に理解しているかどうかを何度も確認することになるので、やってみる意味はあると思う。