情報理論とその応用学会の解散が議決

投稿者: | 2009年12月5日
SITA 2009 懇親会

総会後の安堵感の流れるSITA2009の懇親会

SITA2009の会期中(12月3日)に情報理論とその応用学会(Society of Information and its Applications)の総会が開かれた。今回は、2010年10月に開催されるISITA(International Symposium on Information Theory)2010の直後に学会を解散するということが最重要の議題であった。SITA (Symposium on ITA)がなくなるのではなく(全く変えない)、SITA (Society of ITA)という組織をなくして、主催団体を電子情報通信学会の情報理論研究会にするという動議である。
1. 任意団体であるので、国際学会などの開催などで不都合が生じる。また、本来は税務処理が必要である。
2. 景気の影響などで、賛助会員が激減した。
3. 電子情報通信学会の情報理論研究会とSITAの両方があるために、役員という名目でオーバーヘッド(雑用)が多くなっている。
なまいきなことを言わせていただければ、議決したから言うわけではないが、私は「解散」に賛成であった。私にも幹事や理事の経験はある。SITAくらいの中規模の学会では、役員を一度退任しても何度も再登板で雑用が回ってくる。私はそれほどは多く雑務をやってはいないが、総会の書類を準備したり、大勢の前で発表するなど、神経を使ったことがある(庶務理事が一番大変であったと記憶している)。また、総会の前に開かれる理事会でいろいろ茶々をいれる先輩もいた。それが、SITAと電子情報通信学会の情報理論研究会と両方であれば、どうして2個の団体があるのか疑問に考えるのは無理も無い。

山本博資(東京大学)会長が中心となって、解散の準備を進めてきた。非常に勇気ある行動であったと思う。学会形式の組織にした大先輩の努力もあった(総会当日もその方々の中から反対意見もあった)。ただ、第2、第3のShannon賞を出すには、若手や中堅に大きな雑務を押し付けるわけにはいかない。しかし、「つらいから雑務をやめさせてくれ」ということは当事者である自分からはいえないものである。山本先生は研究実績はもちろんのこと、これまでSITAの発展のために多くの雑務をこなしてきた。私は、準備に関しては何もせず、ただ総会で投票しただけ(単なる評論家のようなもの)であったが、この可決でこのコミュニティがよりハッピーになれたのだと確信している。