11月12日(木)の講義で、第2章グラフィカルモデルの説明を終えた。
第2章の内容・構成は、オリジナル的色彩が強い。
1. 2.2節 無向グラフがchordalであるための条件と、chordalな無向グラフから接合木を生成する方法
2. Bayesianネットワークの一般的な定義(確率にしたがわなくともよい)とよく知られているBayesianネットワークの定義との関係
3. 依存モデルが無向グラフと同型、有向非巡回グラフと同型である条件
特に、任意の依存モデルに対して(条件付独立性の公理(2.5)-(2.9)にしたがわなくともよい)、Bayesianネットワークが定義される。依存モデルは、述語の真偽の割り当て方を与える。第2章は、Pearlのテキストの第3章(難解とされている)を参考にした。Geiger, Paz, VermaといったPearlの1980年代の弟子がこれらの結果を残している。論理の一部として確率が表現できるという意味で、この手法はシンボリック派の心をくすぐるに違いない。そして、この非確率的なBayesianネットワークの定義については、日本のシンボリック派の研究者の間でも知られていない。
第2章グラフィカルモデル 2.1 条件付独立性(2009年10月22日)
第2章グラフィカルモデル 2.2 無向グラフ(2009年10月29日)
第2章グラフィカルモデル 2.3 Markovネットワーク: 依存モデルの無向グラフによる表現(2009年11月5日)
第2章グラフィカルモデル 2.4 有向グラフ(2009年11月12日)
第2章グラフィカルモデル 2.5 Bayesianネットワーク: 依存モデルの有向非巡回グラフによる表現(2009年11月12日)