以前から気になっていたのですが、初心者講習ならいざしらず、なぜそうしないといけないのかを説明しないで、方法だけを教える統計教育が多すぎるように思います。丸暗記を奨励するような教育は、私は賛成できません。そういう先生によく聞いてみると、自分もよくわかっていないことが多いようです。
ピアソンの定理と言って、分割表の適合度検定がなぜそのような公式になってくるのかの証明を、整理してみました。ネットには英語でも日本語でも書いているものをみつけることができませんでした。証明は、(大学1年次の)線形代数の知識を必要としますので、若干敷居が高いかもしれません。
「疑問に思ったら、自分で証明を考えてください」と学生によく言っています。質問しに来ると「それくらい自分で考えろ」と葉っぱをかけたりします。頭を使うことを習慣づけてください、ということです。
大学や専門学校で統計学を教えている方の参考になればと思います。証明を学生に教えるかどうかは別として、調べて理解した上で教壇に立つべきだと思います。